IBSAブラインドサッカー世界選手権

 2014年11月16日から24日にかけて、国立代々木競技場フットサルコートにて、IBSA(国際視覚障害者スポーツ連盟)ブラインドサッカー世界選手権が開催された。この試合のうち、18日開催の予選リーグ(日本対モロッコ)、24日開催の5位決定戦(日本対パラグアイ)、決勝戦(ブラジル対アルゼンチン)を、本研究会研究員が観戦した。

 コートの規模はフットサルとほぼ同じで、1チーム5名という点でもフットサルと似ている。このようなコートの狭さやチームの人数だけでなく、ファウルの基準が緩いという点も加わり、通常のサッカーよりも選手同士の距離が近い、肉弾戦的な競り合いが特徴的だった。ブラインドであるため長いパスがなく、通常のサッカーと比べてパス回しよりもドリブルの技術が重要になる印象を受けた。

 会場内には、障害者の観戦を支援する「リレーションセンター」が設けられており、実況中継を行う音声ガイド、会場の様子を確認するための触地図、タブレット端末を用いた筆談用設備、補助犬用トイレが用意されていた。

 会場内にはブラインドサッカーの体験コーナーが設けられていた他、24日には試合会場の隣で「新しい世界デイ」と称したイベントが開催されていた。ここでは、ブラインドサッカー以外の障害者向けサッカー競技を紹介するパネルの展示や早稲田大学ア式蹴球部からの出展があった他、車椅子バスケやハンドバイクなどの体験会が催されるなど、他の障害者スポーツ団体との連携が見られた。

 24日開催の5位決定戦と決勝戦は、500名ほどの会場がほぼ満杯となる盛況だった。北側スタンドには青のユニフォームを着た100名ほどの応援団が横断幕を掲げて応援しており、健常者の日本代表チームの応援を彷彿とさせた。日本代表が戦った5位決定戦のハーフタイムには、日本代表応援団の音頭により、観客が手を取り合って日本代表にエールを送る場面もあった。