パラリンピックとアーツ スタディーグループ第1回会合

第1回会合 2016年4月19日
国内における障害者芸術活動の概況と、アジアにおける一事例

共同研究「国内における障害者による芸術活動の概要」報告 
東京藝術大学COI「障害者と表現研究」グループ 新井鷗子、村田博信

障害者の芸術活動の全体像を把握するため、美術、音楽、パフォーミングアーツの3部門で国内における実態調査を行った。各部門約30件に関する調査から、美術部門では知的・精神・発達障害の方、音楽部門では視覚障害を中心に様々な障害の方、パフォーミングアーツ部門では偏りなく肢体障害の方と様々な障害の方を対象にする団体が多いということが見えてくる。所属地域としては東京をはじめ都市圏に多く、地域の偏りが見られる。

調査を通じて、障害者の方々への理解、社会の受け入れを進める基盤づくりの必要が感じられた。そのために、プラットフォームを形成し、障害者の方々の芸術活動を支援する団体の横のネットワークの繋がりを促すことが重要であろう。キーワードを用いて分かり易く情報を発信することで、社会啓発を進めていくことができるのではないか。
多くを公開情報に依る過渡的なデータであるので、更に現場の活動に深く踏み込んだ調査を重ね、信頼度の高い資料にしていきたい。

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報告をする村田博信氏(東京藝術大学特任研究員) 

「アセアン障害者芸術祭」
日本財団常任理事 大野修一

日本財団は2006年から6回にわたり、東南アジアを中心に国際障害者芸術祭を開催してきた。アジアの途上国には宗教による偏見や因習が残り、障害者は差別され、萎縮している場合も多いが、芸術祭によって、障害があっても自己表現してもよいと本人や家族の意識が変化し、社会の偏見も改善し始めている。芸術祭開催のプロセスで欧米を含む国際的ネットワークもできつつある。UNESCOとの合意のもと、2018年にはシンガポールでアジア太平洋地域を、2020年には東京で世界を対象とした、障害者芸術祭の開催に向けて準備を進めていく計画である。

IMG_3978.JPG報告をする大野修一氏(日本財団常任理事)

IMG_3986.JPG参加者とのディスカッション