パラリンピックとアーツ スタディーグループ第7回会合

第7回 2016年12月1日
「2020年を契機に障がい者アーツの持続的な発展を促す支援 その1」

1. 民間助成財団による舞台芸術支援ーその理念と実践ー
(公財)セゾン文化財団 常務理事 片山正夫

 セゾン文化財団は「芸術・文化活動に対する支援を通じ、新しい価値の創造と、人々の相互理解の促進に寄与すること」を目的に掲げ、現代演劇・舞踊分野の助成活動を行っている。
 アートの価値を重視し、アーティストの側に立った長期的な支援を特色とする。個々の単発の公演に対する助成は行わない。パ―トナーである助成先団体・個人が、長期的な支援を通じてどう変化していったかを見ることで、成果を測定している。
 こうした成果を上げてもらうためには、資金以外の側面での支援も重要と考えており、当財団所有の森下スタジオ(江東区)を始めとする「場」の提供、「知識・スキル」の提供、「機会」の提供、「出会い」の提供等にも力を入れている。
 高い政策自由度、長期性、連続性、組織力、専門性等の民間助成財団の強みを生かし、他のセクターが手掛けにくいフロンティア領域への支援に注力してきた。助成先の創造活動を通して時系列を追って成果を語れるようなストーリーやエピソードを社会に発信し続けていきたい。

2. アーツカウンシル東京のプログラムについて
アーツカウンシル東京 リーディングプロジェクトディレクター 森司
シニアプログラムオフィサー 佐野晶子

 アーツカウンシル東京では、東京芸術文化評議会の政策提言・政策評価を踏まえた東京都の方針の下、事業実施及び助成活動をしている。
 芸術文化創造・発信事業の1つである「TURN」は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムに向けた「リーディングプロジェクト」として、監修者に日比野克彦氏を迎えスタートした。造形・身体表現と、多様性に関する対話を含めた複合的な内容で、異なる背景や習慣を持つ人々が関わり合い、さまざまな「個」の出会いと表現を生み出すことを目指している。福祉支援を必要とする人を含む一般市民が参加できるもので、活動は「TURN センター」と「TURNフェスティバル」の2つの柱で構成されている。
 「芸術文化による社会支援助成」は「東京文化ビジョン」に掲げられた戦略を受けて27年度より開始された助成プログラム。東京を拠点に活動する芸術団体や福祉団体、中間支援団体等が実施する、社会包摂や社会課題に向き合う芸術創造活動、またはその環境整備に資する活動を対象とする。障がいのある人々の芸術活動に対する助成実績は当プログラムの7割ほどを占めている。助成金の交付と並行して、障がいとパフォーミング・アーツ分野におけるネットワーキング、課題や情報の共有等を企図した研究会も実施している。その過程で、パフォーミング・アーツ分野は実践者や団体の数が未だ少なく、活動基盤や横の連携に乏しいこと、ノウハウが共有されにくいことなど、現状が明らかになってきた。当該ジャンル活性化のために、若い世代の目標となるような当事者リーダーの輩出、アクセス支援者を含めたスキルアップのためのトレーニングの機会や場の提供、プラットフォーム化等を検討課題として捉えている。

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報告中の講師

IMG_4303.JPG会場の様子