パラリンピックとアーツ スタディーグループ第8回会合

第8回 2017年1月24日
「2020年を契機に障がい者アーツの持続的な発展を促す支援とは その2」

1. 共生社会の実現に向けた文化芸術の振興について
文化庁 文化部芸術文化課 小林 正浩

平成29年度の障害者の文化芸術活動の推進に係る方向性は以下のとおり。
 ・共生社会の実現を目指した先進的な文化芸術創造拠点の形成の推進
 ・障害者の優れた芸術活動に関する調査研究及び試行的展覧会等の実施
 ・障害者が芸術作品を鑑賞しやすい環境づくり
 ・地域の美術館等で実施される障害者の芸術作品の展示等に対する支援
 ・特別支援学校の生徒による作品の展示や実演芸術の発表の場の提供
 ・特別支援学校の子供たちに対する文化芸術の鑑賞・体験機会の提供
 ・小中学校等の子供たちに向け障害のある芸術家による文化芸術の鑑賞・体験機会の提供
 ・障害者の芸術活動を支援する人材育成事業に対する支援
 また、文部科学省では、本年1月より省内に「特別支援総合プロジェクト特命チーム」を設置し、障害者の文化芸術活動を生涯にわたって支援する取組を推進していく。


2.  障害者の芸術文化活動に関する厚生労働省の支援施策等について
厚生労働省 障害保健福祉部企画課自立支援振興室 品川 文男

 障害者の芸術活動への支援の方向性として、『裾野を広げる』という視点と『優れた才能を伸ばす』という視点を踏まえた仕組み作りを行っていくことが重要と考えている。「障害者の芸術活動支援モデル事業」を26年度から3年間にわたり実施してきた。芸術活動を行う障害者及びその家族並びに福祉事業所等で障害者の芸術活動の支援を行うものを支援するモデル事業で、その成果の普及により障害者の芸術活動の支援推進へとつなげる仕組みである(平成28年度の採択団体は10団体)。
 29年度にはモデル事業の全国展開として「障害者芸術文化活動普及支援事業」を始める予定である。今後は都道府県レベル、ブロックレベル、全国を束ねる連携事務局の三層構造の事業スキームとし、美術のみならず、演劇・音楽等の舞台芸術への支援も充実させていきたい。


3. 横浜市芸術文化振興財団の横浜での取り組み
公益財団法人横浜市芸術文化振興財団 常務理事 恵良 隆二

 横浜市芸術文化振興財団では、新市庁舎竣工及び東京オリンピック・パラリンピック年である2020年をマイルストーンに、横浜の魅力をより高め、市民の活力を引き出し、文化芸術創造都市を実現・発信すべく活動している。美術館・ホール等12カ所の多様な文化芸術施設を運営しており、専門性とネットワークを活かし幅広いジャンルの振興を図っている。
 ACY(アーツコミッション・ヨコハマ)事業においては、創造の担い手(アーティスト・クリエーター)の発表・滞在の環境を創り、市民との交流・芸術活動の活性化を促進している。
 文化芸術施設の運営やACY事業における芸術活動を通じて、障がい者アーツの支援に繋がる活動も展開している。今後、ACY事業をプラットフォーム化し進化させていくにあたり「社会包摂」は主要なテーマになると認識しており、障がい者アーツはその中核と捉えている。
 事業を進めるにあたっては、「分担」ではなく、「官・民いっしょに」ものを作っていくという視点が重要であり、様々なステークホルダーと議論の場を設け、価値観の共有を確認しながら進め、継続性のある事業としていきたいと考えている。

IMG_4403.JPGディスカッションの様子