日本財団パラリンピック研究会

旧国立競技場施設

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写真1:障害者専用駐車場への坂道

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写真2:観客席からの眺め

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写真3:車椅子観客席

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写真4:競技場内

 2014年8月19日に、特定非営利活動法人DPI(障害者インターナショナル)日本会議の方々と共に解体中の国立競技場を視察しました。

 DPI日本会議は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けて、各競技場の設備について障害者の視点から調査し、関係機関へバリアフリーに関する提言を行う活動をしています。当研究会でも競技者の目線からの競技場のバリアフリー調査を行っていることから、共同研究者である東洋大学川内美彦教授(人間環境デザイン学科)とともに、今回の視察に同行して参りました。

 国立競技場の職員2名に案内していただき、既に解体工事を開始している競技場内の見学を行いました。最初に見学したのは駐車場。国立競技場には約100台の駐車スペースがありますが、身体障害者専用として5台分の枠が別途設けられています。普段は門が施錠されており、利用の際は職員がカギを開けるシステムだったそうです。(写真1)門の先の坂道を上りきったところが観客席の3階部分と同じ高さなので、車から降りてそのまま観客席へとアプローチすることができました。3階席部分の車椅子観覧席に実際に入り、座席幅や高さを計測しました。車椅子のメンバーは、座席からの眺めを確認しました。(写真2)(写真3)

 その後、多目的トイレや選手が使用する廊下と更衣室を見学し、競技場内へと移動しました。更衣室のあるエリアから競技場まではスロープが設置されていますが、車椅子ユーザーの方々は角度が少しきついという感想を述べていました。(写真4)

 今後も複数の競技場を視察し、障害当事者にとってバリアとなる点を明らかにし、より快適な施設の在り方を考えていきたいと思います。