第9回 ワークショップ

第9回 2015年4月21日

「パラスポーツにおける心理サポート」

会場の様子

写真:会場の様子

オリンピック・パラリンピックの報告書をみると、心理面での課題を指摘する声が多いにもかかわらず、その解決の糸口を見出せずにいる選手もいまだみられる。その大きな要因として「こころ」が目に見えないということがあるように思われる。そこでわれわれは「こころ」を鍛える具体的なトレーニング方法について提示する必要がある。ただし「こころ」を鍛えるには長い時間が必要であることをまず認識しなければならない。

第9回01.jpg写真:会場からの質問に応える講師

JPCで実施している心理サポートの基本的な流れは

1.教育プログラム
2.心理的能力診断検査を用いたアセスメント
3.個別面談によるアセスメント
4.継続的サポートの実施
5.ツールの整備

となっている。特に3の個別面談は重要であり、チームスポーツの場合には監督・コーチに対するそれも重要になってくる。4の具体的なサポートにおいては、チームスポーツあるいは個人スポーツそれぞれに特有の課題があり、それらに対する処方箋を考えていく。ただし課題の解決は選手の中にあること、そのため過干渉は避けるということに留意すべきである。また、セカンドキャリアに対する心理面の準備も必要である。

このようなサポートを実施しながらサポートチームにおいても緊密に情報共有・サポートについての議論を深めることが重要である。また、栄養サポートやトレーナーサポートなどといった他のサポートとの連携も重要である。

具体的事例を交えて話す講師写真:心理サポートの必要性について話す講師

指導者には心理サポートをネガティブな評価材料にしないことに留意してほしい。そして心理サポートの存在を知ってもらうことが望ましい。また、選手一人一人の心理的課題を把握する努力をする必要がある。