第13回ワークショップ
第13回 2015年8月24日
「回顧、そして期待:東京1964-2020、パラリンピックレガシー研究」
写真:多くの参加者を集めたワークショップ
パラリンピックは、オリンピックに次ぐ世界で2番目に大きな複合競技大会である。2000年シドニー大会以降は「オペレーショナル・パートナーシップ」として、候補都市にオリンピックとパラリンピックの両方の大会主催が求められている。しかし、パラリンピックが生み出してきた成果やレガシー、そして大会の影響力の評価に関する比較研究はほとんど存在しない。
今回は、そうしたパラリンピックレガシー研究の欠如に注目し、レガシーの枠組みと過去のパラリンピックのレガシー研究を吟味する。
これまでの研究の大半は夏季パラリンピック大会に焦点を当てたもので、冬季パラリンピック大会にはほとんど関心が示されてこなかったことが明らかになった。レガシーに焦点を当てた研究の主要な成果としては、(障害者に対応した)インフラストラクチャー、(障害者)スポーツの機会提供と発展、(障害者に関する)情報・教育・認識、(障害者の)人的資本、そして(障害者)スポーツ運営に関する時代的変化などが挙げられる。
理論的には、これらの研究成果は障害者以外の大会レガシーの枠組みと一致しているように見えるかもしれないが、しかし研究成果を詳細に吟味すると、パラリンピックレガシー研究は似て非なるものであり、現行のレガシーの範囲に新たな要素を加えるものであることが示される。