第16回ワークショップ

第16回 2015年12月17日

「障害者陸上競技における強化と育成〜ガイドコーチの視点を含めて〜」

 陸上競技の現役時代を通じて学んだのは、1.競技を突き詰めること、2.孤独に強くなること、3.人の嫌がる時こそチャンス、であり、これはつまり「継続(信)は力なり」ということである。

 1996年アトランタパラリンピック競技大会に視覚障害者マラソンの伴走者として突如参加することになるが、その大会で金メダルを獲得する。その後2000年シドニーパラリンピック競技大会、2004年アテネパラリンピック競技大会と、3大会連続で伴走者として参加した。2008年北京パラリンピック競技大会では惨敗に終わるという苦い経験を味わったが、その後強化に努め、2012年ロンドンパラリンピック競技大会ではメダルの獲得をはじめ、参加選手全員が入賞という好成績を収めた。

 コーチは現役選手に寄り添う存在として必要であり、それはブラインドランナーにも同様のことが言える。コーチに必要な要素を挙げるとすれば、1.洞察力、2.現場力、3.行動力、になるだろう。

 障害者アスリートやチームの強化・育成のポイントとして、1.意識改革、2.自己記録更新、3.チーム力向上、が挙げられる。障害者競技団体には、国際大会、クラス分け、競技の専門ルールなどといった様々な知識を選手が十分に理解できるようサポートをすることが求められる。
 企業や教育現場、地域などといった社会的な土壌における理解と支援も、重要である。