第20回ワークショップ

第20回ワークショップ 2016年7月28日
「イギリスとオーストラリアにおける障がい者スポーツ競技団体の現状と今後の課題」
(The Current Situation and Future Challenges for National Paralympic Federations)

2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の成功のためには、人種、性別、政治的意見などの多様性を認め、調和を進め、大会後も見据えたインクルージョンを促進していく必要がある。 

  障がい者スポーツの分野において優れたモデルとして、オーストラリアとイギリスの2か国が挙げられる。歴史的にも分権的なオーストラリアでは、草の根運動も含め多くの障がい者スポーツ組織において、男女間における包括、健常者と障がい者の間における包括が促進されており、資金調達、組織統括などの様々な面でメインストリーム化が進んでいる。他方、中央集権的なイギリスでは、競技連盟による障がい者スポーツへの参加の機会の提供がなされ、国民による障がい者スポーツへの理解も進んでおり、変化に対応する柔軟性を有している。これらの例が示すように、障がい者スポーツの成功の鍵としては、一貫性があり改善が継続されるガバナンス、組織の連結性、持続性、共有されたアイデンティティ、企業文化等が挙げられよう。 

  障がい者スポーツの展望として、草の根レベルの団体・パラリンピック組織の向かうべき方向性、機械(サイボーグ化)および遺伝子プログラムなどによるトップアスリート創生などの倫理的問題がある。また、ガバナンスマネジメントの判断基準、経済格差によるメダル獲得国の偏り、将来的にパラリンピックが超人的スポーツイベントになる可能性などについて真剣に議論する必要性がさらに強まる。それらを考える上で、科学・技術の進歩、教育・研究のさらなる発展が重要となる。

IMG_4144.JPGワークショップの様子