第28回ワークショップ
2018年2月20日
テーマ:「パラリンピックとアクセシビリティ」
講師:マーク・トッド氏(アクセス・オール・エリアズ主席コンサルタント、英国)
マーニー・ピータース氏(マーニー・ピータース社社長、車椅子バスケットボール金メダリスト、カナダ)
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けて、関連施設建設をはじめとするハード面と、運営体制構築などのソフト面の準備が進められている。その両面において、世界から集まる観客に対するアクセシビリティの保証が充分に検討される必要があり、特に障がい者が円滑にパラリンピック観戦・参加する際には、細心の配慮が求められる。
それらのアクセシビリティを確保するためには、誰もが同じ体験ができる「公平性」、高齢者や障がい者にとって不便さを感じさせない「尊厳性」、快適に施設などが利用できる「機能性」が重要な視点となる。東京大会でのハード面の整備においては、ロンドン、ソチ、リオデジャネイロでの取組み・実践を参考にする必要がある。また、ソフト面では、チケット販売におけるわかりやすいWebデザインなどの取組も重要である。一方、パラリンピアンに対しては、施設の使いやすさ、移動しやすさ、災害時の対応などの観点でのアクセシビリティを考慮しなければならない。
今後、東京2020大会の準備を進めていくにあたり、エレベーター設置などをはじめとしたさまざまな取組みが個別に対応されていくであろう。利用者が利用しにくい状況に陥らないためにも、大会全体を通してシステマティックに連携された、誰もが使いやすいハード・ソフト両面のアクセシビリティ実現が求められる。